消化管は、口から肛門に至る一本道で、摂取した食べ物の消化・吸収を行い、便として排泄します。
具体的には食道→胃→十二指腸→小腸(空腸→回腸)→大腸→肛門の順に通っていきますが、一本道ですので、このうちのどこか1か所にでも問題があれば、食べ物は通らなくなってしまいます。
下部消化管チームでは、主に小腸から肛門までの病気の検査や治療を行なっています。
お腹の中を調べる方法には、超音波やレントゲン検査、CT、MRIなどがありますが、腸の中の病気を調べるには、内視鏡検査が最も優れています。
当科では多数の内視鏡専門医を中心として、大腸内視鏡を用いた大腸病変のスクリーニング・精査、治療(早期大腸癌の内視鏡切除など)を行なっています。
残念ながら内視鏡で治療困難な病気(進行癌など)は手術での切除となりますが、その場合も傷が小さく体への影響の少ない腹腔鏡下手術を第一に選択するようにしています。
いずれも熟練した内科・外科医がチームで診療に当たっており、常に患者さんにとって最善の治療を提供できるよう日々検討しています。
小腸は、およそ6~7mに及ぶ長く細い消化管です。特別な境界線はありませんが、主に前半2/5の小腸を空腸、残りの部分を回腸と呼びます。食べ物は胃から十二指腸を通過するまでの間に消化酵素によって細かく分解されており、空腸に着く頃にはほぼ水様の状態になっています。小腸はこれを大腸まで素早く送り出しながら、栄養の吸収を行なっています。
小腸は血流が豊富で粘膜の再生も早い臓器です。比較的病気の少ない部分ですが、まれに潰瘍(クローン病など)、腫瘍(消化管間葉系腫瘍(GIST)など)、憩室(メッケル憩室)などがみられ、治療が必要となることもあります。また、腸管がねじれたりお腹の中の隙間にはまり込んで腸閉塞を起こしたりすることもあり、この場合緊急手術となることもあります。
小腸は口からも肛門からも遠く、またとても長い臓器ですので、内視鏡などで観察することは簡単ではありません。小腸内部を確認する方法として、主にカプセル内視鏡と小腸内視鏡の2つが挙げられます。
カプセル内視鏡は、カメラを搭載した11mm×26mmほどのカプセルを飲んで頂き、排出されるまでの数時間の映像を体に付けた機械に送信して後ほど映像を解析します。カプセル内視鏡の場合、腸の動きに合わせてカメラが動いていくため、全ての粘膜を隈なく見ることは難しく、また病気があっても組織を採ったり治療をしたりすることは出来ません。更に腸に狭いところがあるとカプセルが詰まってしまうことがあり、腸閉塞が疑われるような時は使用できません。
小腸内視鏡は、口または肛門から、長い内視鏡を用いて小腸を直接観察する方法です。少し大変な検査ですが、腸の狭い部分を確認したり、腫瘍から組織を採ってきたり、あるいは出血部分を止血したりと、直接的な診断・治療が出来る利点があります。
当院ではカプセル内視鏡、小腸内視鏡のいずれも施行が可能であり、必要に応じて検査を行っています。
疾患に応じて、薬による治療・内視鏡による治療・手術による治療などを選択しています。
大腸は、消化管の最終部分を担う全長1.5~2mほどの臓器です。小腸(回腸)から回盲弁を通り、盲腸(虫垂)、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸を経て肛門に至ります。
大腸の主な仕事は水分の吸収です。上記の通り最初は水分が多く、上行結腸では腸の中はほぼ水の様な状態ですが、大腸を通過する過程で次第に吸収され、S状結腸に至る頃にはすっかり固まり、いわゆる便の形を形成していきます。
炎症性疾患
感染によるもの:虫垂炎、憩室炎、感染性腸炎など
炎症性腸疾患:クローン病、潰瘍性大腸炎
その他:虚血性腸炎など
腫瘍性疾患
大腸ポリープ(腺腫)、大腸癌など
その他
肛門疾患(内痔核、外痔核、痔瘻(じろう)、肛門周囲膿瘍など)
大腸を調べるには、大腸内視鏡検査を行うのが最も確実です。詳しくは大腸内視鏡検査の項目を参照して下さい。
患者のみなさまへ
昭和大学
江東豊洲病院 消化器センター
〒135-8577
東京都江東区豊洲5丁目1番38
お問い合わせ
【予約】03-6204-6489
【代表】03-6204-6000
Copyright©Digestive Diseases Center, Showa University Koto Toyosu Hospital All Rights Reserved.